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美味しい朝食
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「バイキンマーン、朝だよ」
「んー…」
目が覚めると、目の前にアンパンマンがいた。近い。
「うわぁ!」
「ふふ」
アンパンマンは柔らかく笑った。女どもが惚れる理由がわからなくもない。
「朝ごはんができたよ、一緒に食べようか」
俺様のおでこに優しくキスをすると、ドアを開けて部屋から出ていった。
おでこを摩る。あいつはキスが好きなのか?
ベッドの横に綺麗に制服がかけられている。着替えると、ふわっといい香りがする。アンパンマンの匂いが微かに付いているのか。
「バレたらどうするつもりなんだよ」
呟くと、ドアを開けて朝食を食べに行く。
「おはよう、バイキンマン」
座って座って、と俺様の背中を押す。アンパンマンに押されるがままに椅子に座る。
「おぉ!」
テーブルの上には目玉焼き、ご飯、味噌汁があった。誰かに料理を振る舞ってもらうことなんて、ドキンちゃん以外に初めてだ。不思議な気持ちになる。
「いただきまーす!」
美味しい。アンパンマンが和食を作るなんて意外だが、とても美味しい。
一瞬で平らげる。目の前にいるアンパンマンを見ると、まだ少ししか食べていない。
俺様の視線に気づいたのか、アンパンマンが俺様を見る。上目遣い、やめてくれ。少しだけ目を逸らす。
「どうしたの?足りなかったかな?」
「い、いや」
「僕、もうお腹いっぱいだよ。バイキンマン食べてくれないかな?」
お椀を持って俺様に差し出す。少し顎を引きながら見つめている。不覚にも可愛い、なんて考えてしまった。
「そ、そこまで言うならしょうがないな!食べてあげるのだ」
アンパンマンが持っているお椀を、奪い取るように持つ。
アンパンマンのようにゆっくり食べてみようと、丁寧に持ちなおす。
視線を感じたのでちらっとアンパンマンを見る。頬杖をつきながらにこにこと見つめている。
恥ずかしくなってきたので、目を逸らしいつも通りに食べた。
「バイキンマーーン、早く早く」
準備を終えたアンパンマンが、玄関で待っている。
俺様は、鏡の前で自分の姿をチェックしている。昨日付けられた首輪が、どうしても隠せない。
玄関でまだ騒いでいる。くそ、お前が付けたんだろ。
しょうがないので、アンパンマンがいる玄関まで行く。
「これ、隠せない」
少し上を向き、首輪を指差す。
「いっそ見せれば?」
「やだ。真面目に考えろ」
「はいはい。わかってるよ」
眉を少し下げて笑う。
こんな時でも、慌てる素振りを見せない。こういうところは、流石だと思う。
アンパンマンは、リビングからネクタイを持ってくると、俺様の首にかけた。
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