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珍しく
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家の中は静まりかえり、隣でバイキンマンが呑気に眠っている。
バイキンマンの手首には手錠の痕が残っていた。
「痛かっただろうね、ごめんね」
彼の前髪をかきあげるように、そっと頭を撫でる。
彼は少し微笑むと寝返りをうった。
もうすぐ朝日が昇るだろうか。窓の奥が徐々に明るくなってきている。
数時間前、自分の欲求のままに周りを見ないで行動してしまった。
さすがに強引なことをしてしまっただろうか。後から後悔の波が押し寄せる。
彼の処女を奪わなかったのが良かった。あのまま自分を抑えきれなかったらと思うとゾッとする。
あれからなかなか眠ることが出来ず、こんな時間になってしまった。
今日は運良く休日だ。ゆっくりしようかな。
そろそろバイキンマンも自由にさせてやろうか…
「ふぁぁ…」
バイキンマンが起きた。
申し訳ない気持ちと気まずい思いから、なんとなく寝たふりをしてしまった。
「…アンパンマン」
返事をした方が良いのだろうか。…いや、かえって驚かせるだけだ。
僕は寝たふりを続けた。
「…アンパンマーン…起きてないのか…?」
ゆっくりと起き上がって僕をぽんぽんと叩いた。
「珍しいな…アンパンマンいつも起きるの早いのに…」
「熱でもあるのか…?」
バイキンマンは僕と彼のおでこに手を当てて熱さを比べた。
「大丈夫…だと思うのだ…」
バイキンマンはもう一回布団を被って僕の頭を撫ではじめた。
「寝てる…よな?」
「………俺様、多分、アンパンマンのこと好きなのだ」
…え?まさかバイキンマンがそんなこと言ってくれるとは思わなかった。しかも今…?
「いつも嫌いとか近づくなとか言っちゃうけど、本当は……多分、好きなんだぞ」
あくまでも多分なんだな笑 少し笑ってしまいそうなのを堪える。
驚いた。昨日のことで余計嫌われたと思っていたから、いろんな感情がぐるぐる頭の中で回ってしまった。
「ふふ」
思わず笑ってしまった。
案の定バイキンマンが目を丸くして驚いている。
ゆっくり目を開いて、微笑む。
「前言撤回。君を逃したりはしないよ」
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