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客≠神
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「お前…何でここにまた来てんだよ。」
「えっ?コーヒー飲みにきた!」
俺の名前は多田翔。
「道草カフェ」という小さな店で働く成人男性だ。
コイツは、…コイツだ。名前なんて思い出したくもない。
「あっちの店行けよ!!」
俺が指差す方向には、大型チェーンのカフェがある。
残念ながら、数年前に建てられて以来、店の客はあっちに吸い寄せられていた。
立地が悪いのだ。
「僕こっちの方が好き…!だって翔ちゃんがいるから。」
無邪気そうに笑って言った。
「はぁ〜…ご注文は。」
「じゃあ、翔ちゃんのよだ「コーヒー1つですね。かしこまりました。ごゆっくりどうぞ。」
コーヒーを淹れ続けて何年も経つ。
店長には敵わないけど、コーヒーの淹れ方は日々向上している気がする。
努力は積み重ねるものだ。
「翔ちゃん、今日も安定の可愛さ!」
コイツはカウンターに座りながらニコニコと俺を眺めている。
お前は安定の気持ち悪さだな。
心の中で悪態を吐きながら、コーヒーを淹れる。
これも日常だ。
「お待たせしました。」
「あれ、砂糖は?」
「セルフサービスだ。」
「今日もドSだねぇ…!」
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