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【青×緑】 お泊まり ※微R-18
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どくん、と自分の心音と呼吸音がやけにうるさく聞こえる。
緊張からなのか全く寝ることができない。
隣に、ジャンクがいる。
この紛れもない事実にもぞ、と動きつつ頭を抱える。
先程からジャンクが寝返りを打つたびに緊張してしまい、どうしても寝れない。
付き合ってもないしなにも期待してないけど、好きな人と静かな部屋で二人っきりっていうのは、緊張する。
「…………?」
ジャンクは緊張して目が冴えているタップマンを他所にすやすやと寝息をたてていたが、ふと今それが聞こえなくなった。
少し緊張しながら身体を硬直させ様子を伺う。
ジャンクに背を向けているので、ジャンクの表情が窺えないのが少し怖い。
「…………タップ?」
整った声で名前を呼ばれる。
あまりに突然の事で身動きが取れずにいた。
1分ほどたった今、返事をしようか迷っていると
「…起きてるわけないか」
と寂しそうな声が暗い部屋に響き渡った。
返事をしなかったことを後悔しながらもぞ、と寝返りを装って動く。
「……なんか、俺だけ緊張して馬鹿みたいじゃん」
なんと、ジャンクは今まで寝ているふりをしていたのだ。
ということは2人は今までずっと起きていたということになる。
衝撃の事実に悶えた。
「…タップ……好き」
その瞬間ジャンクの細身がタップマンのすぐ後ろまで近づく。
ジャンクはタップマンの着ているTシャツの襟に指をかけ、骨の浮き出る首筋に口づける。
突然の事に身体が正直に反応を示す。
ぴくんと身体は揺れ、ん、と小さく声が漏れる。
「じゃ、ジャンク…」
恥ずかしさから声が震えて出る。
そして静かに寝返りを打ち、ジャンクと向かい合わせになる。
「あ、お、起きちゃったか」
タップマンがずっと起きていたことを知る由もないジャンクは少し顔を紅くしながら謝る。
「あー…いや、俺もずっと起きてたんだよね」
するとジャンクは一言えっ、とだけ言って硬直した。
「……俺の独り言も?聞いてた?」
俯き気味で暗くなるジャンクの顔は少し上気しているように見えた。
なんとも恥ずかしそうで、タップマンもそれにつられて恥ずかしくなってくる。
「…うん」
マジか…、と一言呟き、途端にジャンクはタップマンの肩を掴む。
「聞こえてたんならもうこの際言うけど」
勢いよくそう言い、タップマンは生唾を飲み込む。
言われることはもうわかっているのに、また心臓がうるさく脳に響く。
「俺、タップマンのこと好き」
切れ長の大きな瞳に見つめられ、圧巻される。
あまりにジャンクっぽい、ストレートな告白で、思わず手で顔を覆う。
「…愛してる」
更に追い討ちをかけるような一言に嬉しさと恥ずかしさの感情が交錯して脳内を駆け巡る。
ジャンクの温もりがタップマンの体を覆う。
身長は大して変わらないのにジャンクの方が大きいような気がしてならない。
ジャンクの腕の中で深呼吸して、ふと置時計を見る。
いつの間にか朝の4時を回っていた。
東北地方に住むジャンクの家から地元の仕事場に行くにはいつもより1時間程早くでなければ、と寝る前に思っていたのを思い出す。
あと少しで起きて支度しなければならないのかと憂鬱になる。
「…俺も、だよ」
とはいえ、思いを馳せていた本人からの告白は嬉しいどころではない。
仕事のことを一旦忘れ、ジャンクを抱きしめ返す。
「…うん」
先程ジャンクにキスされた首筋がじんじんと痺れる。
もう今宵は寝れそうになかった。
性急なわけではないが、仕事に行く前にキスが欲しかった。
「ジャンク」
こんなことを言うなんて人生において初めてで、誘い方がこれで正しいのかすら不明。
「ん?」
抱きしめていた腕を離し、タップマンの顔を覗き込む。
整った顔が視界を支配する。
「えーと、その…仕事行く前に、ジャンクと……キス、したいな〜なんて………あ、ごめん冗談やっぱなんでもない」
キスという言葉を口に出した途端自分はなにを言い出しているのだろうと正気に戻る。
素早く撤回し、ベッドから降りようとした。
「いいよ」
後ろから腕を引っ張られ、強制的にまたベッドに座らせられる。
「ほんとにするの…?」
自分から誘ったくせに何言ってんだおれ。
ジャンクは身を乗り出しタップマンに覆いかぶさるようにしてタップマンを優しく押し倒した。
「いやいやタップが言い出したんじゃん」
ド正論。
ジャンクは既にタップマンの顎に優しく手を添えていた。
「…本番まではやらないよ?おれ仕事だからね?」
「わかってるよ。そんな節操ない男じゃないから」
そう言い放つとジャンクは最初は触れるだけのキスを繰り返した。
啄むようなキスでなんだかもどかしかった。
「んっ…ジャンク、めっちゃもどかしいんだけど…」
「なに?もっと激しいキスでもしてほしいの?」
意地悪そうににやりと笑う。
「いや、ちが、…んっ」
図星だが性で反論しようと口を開いたとき、その隙に再び唇に柔らかいものが触れ、口内にぬるりと舌が入り込んでくる。
突然のことに身体が跳ねる。
「んーっ、う、ぅ…」
ジャンクの唾液と自分の唾液が絡まって口の端から零れ落ちる。
ジャンクの舌は歯列をなぞり、上顎を先端でとんとんと叩いた。
「ん…っ、ぁ…」
どうしていいのかわからず舌を引っ込めたり口を動かしたりしていると
「タップ…舌出して」
とジャンクがリードしてくれた。
言いなりに舌を出すと、吸いつかれた。
「ひ、ひゃんくっ…!」
そして再び深いキスに戻る。
舌と舌が絡まる度に身体が跳ね、頭が蕩けていく。
何も考えられなくなっていく。
「う、んんっ…ふ、あ…っ」
苦しくなってジャンクの背中に手を回して背中を叩く。
ジャンクはそっと口を離した。
周りの空気は上気していて、とても暑く感じられた。
ジャンクの顔は暗くてよく見えないが少し赤くなっている気がした。
「はぁ…ごめん。夢中になっちった。時間は?」
時計を見ると5時を回っていた。
そろそろ準備をしなければならない時間だ。
「あー…。もう準備しなきゃじゃん」
「そっか。じゃあまた今度だね」
そう言うとジャンクは微笑みタップマンの頭を整えるように撫でた。
スーツを着ようとバッグから取り出そうとすると、背中になにかがかけられた。
肩から引き剥がすと、スーツだった。
「それ、貸すから返しにまた来て」
なるほど。そういう手か。
「……うん。わかった。近日中にね」
そう微笑むと、ジャンクは微笑み返し、
「愛してるよ、タップマン」
そう言って朝食を作りに部屋を出ていった。
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