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世界から俺が消えても。
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るぅと side
莉犬の事件があってから一週間が過ぎた。
あの時は混乱してどうしていいか分からなくて咄嗟にあんなことを言ってしまったけど、莉犬はほんとうに結ちゃんにひどいことをしたの……?
だって莉犬はほんとうに優しいやつで、真面目で、メンバー思いで、リスナー思いで、僕の友達で、親友で、相棒で、仲間で……。
わかんない、わかんないよ……
僕は結ちゃんを信じるべき……??あんな写真1枚で莉犬を裏切るべきなの……?
今どき写真の合成なんて少しパソコンの知識があれば簡単に出来ること。
あの写真は合成かもしれない。
確かな証拠もないのに莉犬を責めて、泣かせて、傷つけていいの……?
確かめ、なきゃ
ちゃんと確かめて、自分の中での正解を見つけなきゃ。
莉犬に会いに行こう。
ピーンポーン
シーーーン
いない……?あ、さとみくん……?あの時さとみくんは莉犬を信じてるっぽかったし何か知ってるかな……?
ピーンポーン
さ「はーい、」
ガチャ
さ「……るぅと」
る「さとみくん、莉犬の居場所を教えてください」
さ「何しに来たんだ。なんで俺に聞く。」
る「真実を確かめに来ました。さとみくんなら知ってると思ったから、信じてると思ったから」
自分の目で確かめなきゃいけないんだ。
さ「……入れよ。」
る「ありがとうございます。」
り「さとみくん?誰か来たの?」
る「莉犬……」
り「え、なんでるぅとくんが……?や、だ、来ない、で。また俺を責めるんで、しょ?殴るんでしょ……?こわ、い、やだ、やめてっ……」
さ「莉犬っっ!!落ち着いて。大丈夫。莉犬はひとりじゃない。俺がいる。るぅとは莉犬を傷つけに来たんじゃないよ。真実を確かめに来たんだ。」
る「僕はどうしても不思議で不思議で仕方がなかった。あの時は混乱してどうしていいか分からなくて咄嗟にあんなことを言ってしまったけど、改めて考えると疑問しかなかったんです。莉犬は僕の友達で親友で仲間で相棒です。リスナー思いでメンバー思いで優しいやつで、そんな莉犬に僕は何度も何度も助けられて支えられてきました。そんな莉犬がほんとうにそんなことしたのか、どうしても分からなくてほんとうにしたの?って疑問がずっとあった。だからその疑問を無くしに来たんです。」
り「るぅとくんは俺の話聞いてくれる……?」
る「聞かせてください、全部。」
り「まず、俺は結ちゃんには何もしてない……。それは信じて欲しい。ほんとに知らないんだ、あの写真も、結ちゃんの痣も傷も、なにも知らない……。」
さ「俺さ、自分なりに調べてみたんだ。ころんに写真送ってもらってさ。あの写真は合成だった。結ちゃん自身はたぶん家かなんかで撮ったやつ。莉犬の写真は上半身だけしか映ってなかったけど俺らで海行ったときの写真と一致してた。」
る「じゃあ、ほんとに莉犬は何もしてないんです、よね?……莉犬。あの時は何も知らずに莉犬を責めて泣かせて傷つけてしまってすいませんでした。」
り「いい、の。いいんだよ、るぅとくん。るぅとくんは真実を確かめにきてくれた、俺を少しでも信じようとしてくれた。それだけで十分だよ……。ありがとう、るぅちゃん!!」
なんで莉犬はそんなに優しいの……。
こんな優しい莉犬を傷つけていいはずないんだ、莉犬を守らなきゃいけない。
なーくん、ころちゃん、ジェルくん、気づいて。
莉犬は裏切ってなんかないよ
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