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付き合っている2人
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寮食堂は、日曜日だけバイキング形式で他の日はメニューが決まっている。一週間分のメニューが食堂前に張り出されているので、俺と京はそれを確認した。
「今日はチーズドリアとナスとトマトのサラダだって」
京の言葉に頷きつつも、正直食べられるか不安だ。もともと少食なのに、いかんせんこの学校は食事の量が多い。
食べられないほど出すのだ。もっと違うことにお金を回せばいいものを。
恨めしい気持ちが顔に出てしまったのか、京が片手で俺の頬をつついた。
「食べられないなら俺が食べるから、中入ろう」
「あ、うん……ありがとう」
京に手を引かれついていく。京はいつもさりげなく、俺の緊張とか不安を取り除いてしまう。どうして気がつくんだろう。
どうしてこんなに安心するんだろう。
「俺持ってくるから、綴は待っててよ」
「え、でも、俺も」
「病み上がりは黙ってなさい」
ピシャリと言われ、俺はすごすごと席に着いた。
真っ白なテーブルクロスがひかれた、丸いテーブル。一つのテーブルには大体5、6人が座れるようになっている。俺が1人で待っている間にも、1人2人と席に着いていった。
京の席が無くならないだろうか。
不安に思っていると、なぜだかその不安は的中するものだ。京が座るために空けていた席が他の生徒に取られてしまった。
「あ、あの、そこの席……」
「何?」
「あ、えっと……」
隣に座ったのは、ガタイの良いいかにも怖そうな男子生徒。この人に席を譲って欲しいなんて言ったら、喧嘩を売っただの売られただの面倒なことになりかねない。
俺は立ち上がると、京の元に向かおうとした。しかし、それは彼の大きな手によって遮られる。
「あんた、金扇綴でしょ?」
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