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微妙な距離
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五時間目が終了し、次の授業の準備をしていた。
昼休みにあの光景を見てから、気持ちがどんよりと落ちている。授業にも身が入らない。
京が誰と一緒にいようと今までなんとも思ってこなかったのに、今回はなぜだか良い気分がしない。
仕事だということもよくわかっているというのに。
教科書を取り出したままぼーっと座っていると、後ろから肩を叩かれた。陸だった。陸を見ると、ペンで後ろのドアを指される。そこには京が立っていた。
「あっ」
俺はすぐに立ち上がるとそこに走り寄った。
「どうしたの?」
「今日から、綴にも生徒会室のほうで作業に加わってもらおうと思って。去年もやったやつ」
「あぁ……」
体育祭に参加しない代わりに、裏方のほうで関わりを持つ。備品の在庫を数えたり、当日の競技の小物を作る話だ。
「うん。良いよ。ていうか、俺の役目それだし」
「良かった。じゃあ、帰りのHRが終わったら一緒に生徒会室に行こう」
「うんっ」
京は手を振って隣の教室に戻っていった。
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