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年下のライバル
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体育祭の結果発表を終えて、俺達の役目は終了した。
あとは生徒会メンバーと合流して後片付けの臨むのみだ。
「はぁ、これで先輩と二人きりっていうシチュエーションも終わりなんですね。なんだか寂しいです」
冬樹君はぷうっと頬を膨らませた。
「まぁまぁ、会おうと思えばいつでも会えるでしょ?」
「なるほど、会ってくれるんですね!」
キランっと目を光らせた冬樹君に両手を握られる。
「僕、こうなったらもう押すしかないと思ってますからね! しつこいですからね!僕は!」
引き気味に頷き、これで京とのランチタイムが潰れたらどうしようかと少しだけ不安になる。
それを悟ったのか、冬樹君は「でも」と付け加えた。
「あからさまに2人の仲を裂くようなことはしないので安心して下さい。僕は、京先輩がいないところで堂々と戦うつもりですから!」
その言葉にホッとして、俺はまたあははと笑った。
教室に持ってきていた資料や荷物を持って、生徒会室を出ようとした、そのときだった。
「例えば、こんな感じでね」
肩をぐいっと引かれ強制的に振り向く形になったその刹那、俺の唇に柔らかいものが触れた。
ただ、それは軽い感触を残してすぐに離れていった。
軽く背伸びをした彼はにっこり微笑むと、1人優雅に淡く色づく校舎を意気揚々と歩いていった。
「え、ええっ……!!」
唇に手をやった瞬間、顔に熱が集まると、まるでゆでだこになったようなそんな変な感じがした。
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