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後ろ向きと君の覚悟
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陽だまりの中、大好きな匂いがする。
幼い頃、それこそ記憶が無いくらい昔に、大好きな母に頭を撫でられていたときの安心感。
久しく忘れていたそれが、今、俺を包んでいる。
目を開けると、正面のテレビには見覚えのない番組が小音で流れていた。
それに、俺が頭を置いているのは……綴の太もも?
目線を上に向けると、顔を俯けて眠る綴がそこにいた。
俺の頭に手を置いたまますやすやと寝息を立てている。
眠る前は綴の肩にもたれていたはずだから、綴がこの体勢にしてくれたのだろうか。いつもの俺なら起きるところだろうが、疲れていたせいか微塵も気がつかなかった。
綴の優しさに嬉しさが込み上げる。
きっとここで動いたら綴は起きてしまうだろう。まだしばらくは、この顔を眺めていたい。
にしても、あの綴が自ら膝枕(太もも枕?)を実行するだなんて、嘘寝をしなかったあの時の自分を褒めてやりたいものだ。
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