アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
プロローグっ
-
「ベルカさまっ」
あいつの声が聞こえる。
優しくて、かっこ良くて、誰よりも愛してるオレの大好きなひと。
サイト。
「こんなところにいらしたんですか?危ないですよー、降りてきてくださーい。」
「だってここ、落ち着くんだ…」
オレは今、家に生えている、木の上で街を眺めている。
オレの家はイタリアにあり、海より遠い街中の高台にある。家は古くからのマフィアの家系で、結構有名で、オレはその若頭。
ベルカ・フォルネーゼ
サイトはオレが幼少の頃からかの執事的な存在であったり兄みたいな存在だったり、仕事で忙しい両親より、近い存在。
そして、オレの恋人。
大好きなひと。
「落ちますよー」
「落ちるわけないだろ?小さい頃から登ってんだからさあ」
そう言ってオレは木の枝に立った。
そして、両手を離し、サイトに見せつけてやった。
その時、ゴオッと風が吹いた。
オレはぐらついて、バランスを崩した。
そのまま下へ一直線だったが、ふわりと抱きとめられた。
「サイト…」
「だから言ったじゃないですか…ベルカさま…貴方が死んだら、私は生きていけませんよ?それに誰がこの家を継ぐのですか?」
そういい、地面へ降ろしてくれた。
「悪い、気をつけるな」
「ええ。」
そう言い、サイトはオレの腕を引き寄せ、軽くキスをした。
「…サイト」
「ベルカさま…」
この時間がずっと続けばいいと思っていた。
でも、
そんなことはなかった。
まさか、
裏切られるなんて。
家を奪われるなんて。
思いもしなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 224