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逆襲の始まり
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タケルは近づく靴音に焦った。
高支那も当然気づいており、タケルを解放しその手を一瞬緩めた、が…
それは本当に一瞬だけだった。
男の正体を暴いてやるつもりで起き上がろうとするタケルの動きを制し――
「見るな!」
低く鋭い声で言い放つ。
高支那自身、後ろを振り返ろうともせず、なぜか底冷えするほどの冷ややかな笑みを刻む。
タケルはそんな表情をする高支那に釘付けになっていた。
高支那が何を考えているのかわからなかったからだ。
実際、靴音が確実に近づいてくる中、高支那は信じられない行為に出たのだ。
タケルが着ているコートの襟元を一気に引きちぎり、露わになった胸元に顔を埋めたのだ。
「高支那…っ!やめ――」
慌てたタケルは高支那を押し退けようと抗った。これから高支那が何をやろうとしているのか、今までの経験上すぐにピンときたからだ。
その間にも靴音は更に近づき、それこそ謎の男の顔が見えるかもしれない位置に立とうとしていた。
だがその時、まるでタイミングを計ったようにエントランスの中が徐々に闇に閉ざされていく。
月が隠れたのだ。
城内はまた漆黒の闇に飲まれていく――
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