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せっかく星(あかり)にイイとこ見せようと料理がんばったのに……ツイてない。
足は何回拭いてもお醤油の香りがする…。
仕方なくバスルームに洗いに行った。
ボディシャンプーを泡立ててお醤油に浸かった足を洗うと、無事だったもう片方の足も洗いたくなって結局、両足を洗ってしまった。
シャワーで流してからバスルームを出ると、星(あかり)がパウダールームで待っていた。
「え、待ってたの?」
と声をかけると、ニコッと笑顔になった星(あかり)は
「そ。ホラ、バスタオル。」
…と言って片手にしたバスタオルをフリフリして見せてきた。
「ア…。ありがとう」
受け取ろうとして手を伸ばすと、ヒョイッとかわされて
「あーちょっと待って、拭いてあげるから。あっくんはそのまま立ってて…」
俺の足もとに座って拭いてくれた。
優しい…。
……ね、好きだよ。
思いが一気にこみ上げてきて、口もとを片手で押さえた。
…言っちゃダメだ。
「ん、これでヨシっと…。な、海鮮丼食べよう、お腹すいただろ?」
俺の足を拭き終わった星(あかり)は立ち上がって濡れたバスタオルをランドリーボックスに入れた。
お腹すいただろ、って……なんか立場逆転してないか?
「俺が作ったんだけど…」
「そだねー」
言いながら頭の後ろをポンとされた。髪に星(あかり)の指先が触れる。そういう無意識なのが……、ホント、来るからやめて。
「うっわ何それ、腹立つ〜」
軽口をたたきながら、星(あかり)の後をついてキッチンのテーブルに移動した。
顔赤いの、見られてないよな……
心臓が胸骨をいちいちガツガツ押し上げてくるからタチが悪い。分かった分かった、星(あかり)が好きなのは俺も一緒!だから大人しくしてて、頼むよ心臓…!!
二人で向かい合わせに椅子に座って、いただきますをした。礼儀正しいのが星(あかり)の良いところの一つだ。
「……ね、あっくんさ、話あるんだけど」
海鮮丼はイクラ好きの星(あかり)のためにイクラをたっぷりのせた。生サーモンと青じその色合いも多分ベストマッチ。絶対美味しい。
その生サーモンを口にしてたら星(あかり)から不意に話しかけられた。
「んー…?」
口の中に魚がいるのでまともな返事出来ない。けど、『んー』で返事することは別に普通だからそのまま先を促した。
すると星(あかり)は丼とお箸を置いて、真っ直ぐに俺を見つめて言った。
「俺さ…。留学行くの。明後日から」
…は?……え…?
明後日…… …、… ?
リュウガク…?
って
なんだっけ…… …?
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