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亜太の言ういなみんとは、俺らの担任兼数学教師の稲見先生のことだ。
一言で言うとイケメン。
綺麗な顔立ちと高身長で、入学当初から女子はもちろん男子からも人気がある。
誰に対しても優しいし、生徒のことを一番に思ってくれる良い先生だ。
非の打ち所がないって言うのかな、そんな人が好かれないわけないよね。
そんな先生と比べられたら俺はもう何も言えない。
天と地くらいの差があるから、届きはしない。
はぁ、と軽く溜め息をつき最後のおかずを口に運んだ。
「そういえば、稲見先生に教えてもらいたい所があったんだ。先行ってるぞ」
「はーい。行ってら〜」
「…それだ!」
「何、どうした?」
何気ない芽鶴の言葉に、ふと俺はひらめいた。
天と地の差があるなら、天に近づけばいいんだ。
つまり、先生に彼女をつくる方法を教えてもらえばいい。
あんな人気者の稲見先生だまだ独身らしいけど、絶対モテるし教わる価値は十分ある!
よし!と意気込んだ俺は、早速聞きたいことリストを作ることにした。
お弁当箱を片付けた後、メモとペンを取り出し箇条書きしていく。
一度書き出したら止まらなくて一気に十個ほど書いてしまった。
「また百馬が余計なことしだしたなー…」
集中している俺には、亜太の独り言なんて聞こえていなかった。
よし、後はこれを先生に渡して教わるだけ。
やっと俺にも漫画みたいな春が来るのかな。
ふふ、と俺は浮かれながら次の授業の準備をしていた。
この先、あんなことになるとも知らずに。
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