アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
4
-
「失礼しまーす」
放課後。
数学教室に来た俺はガラガラと勢いよく扉を開けた。
入る前に中を見渡してみたが、まだ先生はいないようだった。
こんな所初めて来たけれど案外狭い。
長机とソファにパイプ椅子が一つ。
周りには資料などがたくさん棚に並べられている。
どれも難しそうな本ばかりで、俺には到底理解できそうにない。
扉の前で立ち止まってもしょうがないので、とりあえずソファに座る。
期待してた柔らかさと違い、以外と硬くてちょっと残念。
先生を待つ間ノートの準備でもしておこうかと鞄を開いた。
が。
「……ん?」
何か聞こえる。
誰かの話し声のような、よく分からないけどどこからか聞こえる。
気になった俺は辺りをキョロキョロと見渡した。
余計な音を立てないよう静かに耳をそばだてる。
…壁からだ、隣の教室かな。
忍者のように足音を立てず、音を辿りながら壁にぴとりと耳をつけた。
『…ぁ、…っん』
『……まり……聞こえるよ…』
『はぁ…っ、……』
聞こえる言葉を理解した俺はその場でピシリと固まった。
ままま待って、待って。
これって、そういう?そういうやつだよね!?
えっえっ!?
初めて聞く他人のそれに俺はパニック状態になる。
無理もない、俺は経験なんてまるでない童貞なのだから。
何ならそんなに興味もない。
と、とりあえず聞かなかったことにしよう!
知らない知らない、俺は何も知らない…
壁から離れ、耳を塞ぎ込んでソファにうずくまる。
しかしそんな俺の行為を無下にするかのように、壁から聞こえる声は少しずつ大きくなる。
「ひぃ、…お願いだから静かにやって下さいようっ」
嫌でも聞こえてくる喘ぎ声に耐え忍んでいると、ふと自分の異変に気がついた。
下半身がじわじわと熱くなって苦しい。
ズボンを押し上げているそれを見た瞬間、じわりと涙が滲んだ。
こんな時どうしていいのか分からない。
注意の仕方も、反応してしまったこれの対処も分からない。
誰か助けて。
…稲見先生、早く来てよ。
俺はもうそれに縋るしか無かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 67