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「終わった!」
「――はい、終了」
最後の答えを書いたとほぼ同時にタイマーの音が鳴る。
俺、実はすごいんじゃない?
全部解けちゃったよ。
自信満々でに先生にプリントを渡す。
早速採点をしてくれるようで、先生は赤ペンを手に持っていた。
目の前で採点されるというのは何とも言えない気持ちだ。
しゅっ、となる
丸が付いていくのが嬉しくて、俺は顔が緩みっぱなしだった。
「これで終わり、っと」
「やった!先生百点!」
「はいはい」
ずっと見ていたから分かる。
俺の回答にバツは付けられなかった。
端っこに百点と書かれる。
そんな点数とったことないから嬉しくて堪らなかった。
「ま、今回はハンデありだからな。次は自力で頑張ること」
「おすっ」
「じゃあはい、二回目。よーい」
もう一枚プリントを渡される。
さっきとは問題が違うけど使う公式は同じのようで、公式集を見なくてもすらすら解けた。
ピピッとタイマーが鳴る。
先生に渡して採点してもらうと、一問間違えだった。
「うう、惜しいっ」
「ほら、解説するからよく聞いとけ。ここは――」
先生が俺の回答に赤ペンで修正していく。
俺はそれを必死に見て聞いて、補習に専念した。
つまづいてしまった問題は先生に教えてもらうと案外簡単で、俺のちょっとしたミスだった。
それが尚更悔しいのだけれど。
「よし、今日はここまでかな。お疲れ様」
頭に手を乗せられ、優しくぽんぽんとされる。
自分でも知らなかったけれど、俺は撫でられるのが好きみたいで思わず笑顔が溢れた。
「ありがとうございましたっ!じゃ、今日は失礼しま――先生?」
お礼をしてソファから立ち上がろうとしたけれど、何故か先生が隣に座って俺もその場に留まった。
横を見ると先生は何か考えている様子で俺と目を合わせてくる。
なんで隣に来たんだろう?
というか先生の顔、やっぱりかっこいいな。
でもイケメンと言うよりかは綺麗な方かも…
そんなことを考えながら惚けていたら先生の顔が近づいた。
いや、近づいたというか。
見ていた綺麗な顔は、俺の頬にぴったりと付いていた。
言い変えると、ちゅーされてしまった。
「えっあ、っ…え!?」
「なに、誘ってたんじゃないの」
「さそっ!?いや、俺はただ…」
「ただ?」
綺麗だと思って見てました、なんて変態発言できるわけない。
それが誘っていたかどうかはさておき、自分の行動に恥ずかしさを感じる。
じーっと、俺の顔に穴が開きそうなほど見つめられ、不意に先生が微笑むと、俺は昨日の出来事を思い出してしまった。
顔がじわじわと熱くなり、鼓動も少しずつ早くなる。
真っ直ぐ見ていられなくて、横に目を逸らした。
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