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驚異的な芸術センス
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パンダ事件の翌朝。
自分をかばって傷を負ったナンバーは、思っていたよりも元気そうで少し安心した。
彼には今日一日は休むように言ったのだが、「もう元気だから大丈夫!」と言い張って結局ついてきてしまった。
何事もなく朝の点検と朝食、刑務作業と進んでいき、自分たちは昼休憩の時間になった。
一度事務室に寄ると、凛さんが囚人達の日記を確認していた。
日記とは、最近新しい試みで導入されたものだ。
なぜまた事務の仕事を増やすのか…と疑問に思っていたが、その日記が今回はじめて役に立つこととなったのである。
「あ…アカネさん、ナンバーさん、お疲れ様です…
囚人さんたちの日記を確認していたら、気になるものがあって…」
「…?なにかあったんですか」
「…これ、見てください」
彼女の差し出した日記の中身を覗くと、見覚えのある絵が描いてあった。
昨日出たパンダだ。
正しくは、描きかけのパンダだ。
昨日見たものと同じく、白と黒ではなく、白と赤のパンダ。
しかし、赤色のペンは、囚人には支給していない。
つまり、血で描かれていたのだ。
「これ…昨日出たパンダとそっくりじゃないですか」
「…やっぱり、そうなんですね…
でも、なんで血で…」
「考えられるのは、ここに描いたパンダをなんらかの能力で具現化させて戦わせていた…その能力の発動条件が血で描くことであった…?とかですかね…
この日記の持ち主は誰ですか?」
「…半田くん、です……」
「じゃあ犯人は半田か」
「…半田くん、今朝、意識がなくて、医務室に運ばれたんです
原因は、大量の出血、だそうで……
なんで、倒れるまで描いたんだろう……」
「謎が多いですね…、とりあえず看守長に報告しましょう」
「…はい、私からしておきます」
「お願いします」
「よろしくね、りんりん」
その翌日、調査部で半田に話を聞いたところあっさりと罪を認めたらしく、体調が回復したあと懲罰房に入れられた。
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