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「久しぶりだね。」
優しく微笑むのは、銀色の長い髪を後ろで束ね、まるで真珠の様な色白の肌に切れ長の目。
中性的で絵に描いたように美しい顔立ちをした白夜だ。
「花麗。ーーおいで。」
手を伸ばして抱き締めてくれたのは、剛祈だ。
血色の良い肌に、肩に付くほどの艶やかな黒髪。
優しくも力強い目に、筋肉質なその腕が引き締まった体幹を思わせる。
「ーーこれまで、とても辛かったのだろう?」
「此処で、私達と共に暮らしませんか?」
二人の優しい声に涙が溢れた。
「……で、でも、僕はもう…疲れたんだ。」
「私達の元へおいで。私達は花麗と共に居たい。」
「人間として生きることに疲れたのなら、これからは此処で暮らせば良い。」
小さい頃から、辛いことがあれば此処に来ていた。
必ず二人は居てくれて、辛いことも悲しいことも、僕の全てを受け入れてくれた。
「人間として…? 二人は人間じゃない、の…?」
「私達は、此の社の神だよ。」
「神様?!」
「そう、此の辺りの土地神だね。」
神様だと聞いて、抱きついていた剛祈から勢いよく体を引き剥がす。
「かっ、神様だったなんて……。」
小さい頃の記憶を思い返し、花麗の顔がみるみる青くなっていく。
「アハハッ。大丈夫だよ、花麗だから。」
「花麗、私達と共に、此の地で暮らしていきませんか?」
「く、暮らすって言っても……よく分かんない。」
神様と人間が一緒に暮らすだなんて…ここの宮司になれってことかな?
「花麗が人間で在ることを辞めて、此方側の者になるのです。」
「神様になるってこと?」
「神様とは違うけど、それに近い者かな。」
(二人を選べば、もう二度とあんな辛い思いはしなくて済むのかなーー。)
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