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「花麗の好きな弁当屋の、唐揚げと、ハンバーグと、鯖の塩焼きに、カツ丼。どれにする?」
「ちょっと…。買いすぎじゃない?」
「あ、二個選べよ?
今食べるのと、夜飯な。どうせ何も食わないつもりでいたんだろ?」
「ふふっ。バレバレだね、敵わないなぁ。」
「何年一緒に居ると思ってんだよ?」
他愛ない会話。自然と笑顔になる。
うん、大丈夫。いつもと変わらない。
鯖と唐揚げ弁当をもらい「いただきます」と言って一緒に食べ始める。
あぁ、やっぱりこの関係を壊したくない。
優惺のことは好きだけど、それ以上にこの関係が壊れることの方が辛い。
元々、叶わない想いだと覚悟はしていたのだから。
そんなことを考えてしまったせいか、ボロボロと大粒の涙がこぼれだした。
「おっ、おい!大丈夫か? まだ体がしんどいのか?」
「ううん、大丈夫…。何でもないから……。」
(どうしよう…全然止まらない…。)
涙を止めたくて気持ちを落ち着かせようとしても、ボロボロと溢れてしまう。
「―――花麗、ごめんな。こんなことになったのも、俺のせいだ。ごめん。」
「え…なに?」
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