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あぁ、そうだ。あれから無我夢中で、逃げなきゃって必死で…。気付いたら社に来てたんだ。
「花麗、顔色が優れないね。」
剛祈が心配そうに覗きこむ。
「僕は、あの人から逃げなきゃいけない…。あの頃の繰り返しはイヤだ。もう、あんな思いは……。」
高校入学してすぐの頃から、優惺への気持ちを周りにバラされたくない一心で、先生に言われるがまま性欲処理として、いい玩具として、2年前まで扱われ続けた。
思い出せば思い出すほどに胸が苦しく辛くなる。
「もうイヤだ! せっかく優惺と上手くやっていけると思ったのに…。僕は、僕は……もう…ッ!!」
止めどなく溢れる涙を、白夜が優しく拭ってくれた。
「そうして花麗が『死』を選ぶのは、私達もとても悲しい。」
「だから、一緒に此処で暮らそう。そういう奴等が二度と花麗に触れないように、俺と白夜が守ってやれる。」
「……本当に?」
「あぁ、本当だ。」
「……それなら…此処で3人で、暮らそうかな…。」
その言葉を聞いて、白夜と剛祈はふわりと笑い、花麗のことを優しく抱きしめた。
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