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慌てて逃げ出す男を見て、助かったのだと胸を撫で下ろした。
「大丈夫?」
銀色の毛並みの狐から、そう聞こえた気がした。
「あんまり驚かないね。あ、逆に驚きすぎて反応ないのかな?」
今度は狸から声がした。
「ーーわぁ、すごい! しゃべるキツネさんとタヌキさん!」
その反応に、喋る狐と狸は顔を見合わせる。
「ーーこれは…珍しい子だね。」
シュルリと巨体の獣から先程の男の子へと姿が変わる。
「すごぉい! へんしんもできるんだねぇ!」
「私達が怖くはないのですか?」
「たすけてくれたんだもの。こわくないよ!」
よくよく見ると、体は先程までの恐怖で震えが止まらないようだった。
「怖かったですね。その恐怖を少しですが取り除いてあげましょう。」
そう言って男の子二人の両手の平を、ペタりと花麗のおでこにくっつけた。
じんわりと熱さが増して、少し光っている気もした。すると、体の震えが止まると共にどこか心がスーッと軽くなった気がした。
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