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第2話※
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「おーお。なんだよ、威勢がいいな。感じちゃってるくせに」
岬の指が胸の尖りを捕らえて摘み上げた。
違う。感じてなんかいない。
長い爪が敏感な場所に当たって痛いだけだ。
「やめ…」
「昨夜は何処で遊んでた?帰ってこなかったろ、おまえ」
岬は摘んだ突起に爪をたてカリカリしながら、耳元に囁いてくる。
「……っ、ビジホだよ」
「ふん。またカメラで遊んでたのかよ」
舌で首筋をチロチロ舐められて、綾は顔を歪めた。
「やめろったら、さわんなっ」
「……ふん。おい、なんだこれ」
岬は体格差に任せてこちらを押さえ込むと、耳の下あたりを見て鼻を鳴らした。
「昨夜ほんとは、どこに泊まった。ラブホか?」
「違う。ビジホだって言ってるだろ。離せよ!」
もがく綾の両手をねじ伏せて、岬はこちらを抱え込むようにしてソファーにどっかりと座ると
「んじゃ、ビジホに男引き込んでたんだろ?ビッチが」
岬の歯が耳たぶを強く噛む。
綾はブルっと震えて身を捩った。
「…っ言いがかりは、よせよ。俺は1人で、」
「こんな色っぽいもん付けてる癖によく言うぜ」
岬の口調はどんどんガラが悪くなる。
その目が怒気を宿して鋭く自分の首筋を見つめていた。
「……っなに、言って…」
「つけられたの自覚ねえのか?突っ込まれて夢中であんあん言ってたんだろ」
岬が首筋にむしゃぶりついて歯をたてた。
「…いたっ、やめっ、やめろって」
岬が何を言ってるのか分からない。噛まれた首筋と爪でキリキリ揉み込まれた乳首に、鋭い痛みが走り抜ける。
「ちょっと放置してたからって、浮気してんじゃねーよ」
「してないっ、痛いって」
ソファーの座面に転がされ、上からのしかかられる。暴れる綾の手を押さえつけ、岬は覆いかぶさって顔を近づけてきた。
「じゃあ、このキスマークはどーした」
「っ?」
……え……キスマーク?
綾は驚いて岬の顔を見つめた。
「ついてるだろ。バッチリ。ここと、ここに」
岬は指先で、首筋の2箇所をつついてくる。
そんなはずはない。
キスマークだなんて、そんなのありえない。
「違う」
綾は首を横に振った。
心当たりなんかまったくないのだ。
だってずっとこの部屋で1人だったし、昨夜は蒼史朗の家に泊まったのだ。
何も、なかった。
ただ口移しに水を飲ませただけだ。
あれを……キスとは呼ばない。
一緒に寝たけど……それも違う。
「思いっきり証拠残ってんのに、何が違うんだよ?ん~?」
「虫に、刺されたんだろ!違うって。絶対にそんなんじゃない」
岬はふんっと嘲笑うように鼻を鳴らすと
「あっそ。じゃあ確かめてやるよ。おまえが男、咥えこんでないかどうかな!」
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