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ということでクラス席から抜け出して来た俺。
とくに行く宛もなくとりあえず屋上に来た
日差しが強いから影に座り込む
風が吹いて気持ちいい
「はぁ· · ·」
盛大なため息をついてしまう
普通に疑問なんだけど誰が体育祭なんてダルいもん考えたんだよ
こんなのめっちゃ運動神経いい陽キャが女子にキャーキャー言われるだけの行事じゃん←
「えー、今からお昼休憩の時間に· · ·」
それからどのくらい経っただろうか
お昼のアナウンスが聞こえてきた
ずーっとボーッとしながら屋上にいたから全然お腹空いてないなー
「はぁ· · ·」
今日何度目かわからないため息をつく
特にやる事ないし家に帰ろうかなー
なんて考えたとき
ガチャ
屋上のドアが開いた
ビクッとしてドアの方を向く
「誰かいるー?」
そう、聞き慣れた声がした
「あ、ミズキ!こんな所にいたのー」
「なんだよ、アズサ」
突然でビックリしたのと帰ろうと思ってたのにこいつが来たら帰れない気がしたから声が少し不機嫌になってしまう
「えっとね、うちの母さんが一緒にお昼食べないか、って!」
ふぁっ!?
マジかよ、、、
帰ろうと思ってたのに
これじゃあ最後まで残らないといけないかもしれない
「あ、もしかしてお弁当あった?なら大丈夫だよ!」
「いや、無い」
そう、正直に伝えると
アズサは満面の笑みで
「じゃあ、ミズキも一緒に食べよう!」
と俺の腕を掴んで屋上を出ようとする
「えぇぇ· · ·」
されるがままに引っ張られて屋上を出た
━━━━━━━━━━━━━━━
連れてこられた先はあるテントの前
アズサが
「母さん、ミズキ連れてきたよー」
と声をかけると
「あら!」
と優しい声がした
出てきたのは若くて優しそうな雰囲気の綺麗な女の人だった
彼女がアズサの母親か、、
うちの親とは性格真逆そうだな、、、
「初めまして。アズサと同じクラスの岡井瑞貴です。」
「まぁ、初めまして。アズサの母の友梨(ユリ)です。話に聞いてた通り、整った顔してるわねぇ」
「ははは、、」
いや、どう考えてもアズサの方が整ってるだろ
こういうお世辞は返し方に困るんだよな…
「母さん!やめてあげて。ミズキ困ってる、まぁホントのことなんだけど· · ·」
いいタイミングでアズサが突っ込む
なんか、最後ボソボソ言ってた気がするけど聞こえなかったな· · ·
「まぁまぁ、ホントの事を言っただけだしね。さぁ!お昼にしましょ!」
え、マジで食べるのかよ、、
別に嫌じゃないんだけど
「ミズキ、いーい?」
そう、アズサが顔を覗き込んで言ってくる
んん、こういうの苦手なんだよな、、
「ん、わかった」
てか、ここまで来たら断れないだろ
中を覗くとお父さんと思われる男の人と中学生くらいの女の子がいた
「おかーさーん、ご飯まだー?」
「はいはい、ごめんなさいね」
「!!!」
目があってとりあえずペコ、と小さくおじぎする
すると女の子もおじぎをした
「初めまして。君がミズキ君かな?アズサから話は聞いていたよ。私はアズサの父の真也(ナオヤ)です。さぁ、中へ入って」
と、声をかけてくれたのはお父さんの真也さん。
お母さんもだけど優しそうな雰囲気が出ている
アズサ、、家族に恵まれてるな
羨ましい、、、なんて思った
俺、変わったな
今まで寂しくなんてなかったのに
これが当然なんだ、って我慢していたのに
「あ、はい。お言葉に甘えて」
初めてみる河南家の人はみんな優しくていい人そうだ
子は親に似る、こういう事を言うのかな
「はーい、お弁当ですよー」
そう言って並べられたのはたくさんの種類のおかずが入っているとても豪華で美味しそうなお弁当だ
「「いただきまーす!」」
それを、当たり前かのように食べ始めるアズサと妹ちゃん
「いつものことだがさすがだな!」
「もう、やだー、照れるじゃない」
そう言って仲睦まじく話す2人
こんな光景、、
俺にはなかったものだ
アズサや、他の一般的な家庭にはあって俺にはなかった物
それを改めて突きつけられる
「おーい、ミズキどーしたの?お腹空いてない?」
アズサに声をかけられ
ハッとする
「あー、ごめん。気にすんな」
「ん、そっか!ねぇこれ食べてみて!」
そう言っておかずを取り分けてくれたアズサ
「うん」
取り分けてくれたのは美味しそうな唐揚げだ
1口食べてみると衣はサクッとしていて肉はジューシーでとても美味しかった
こんなご飯が毎日食べられるのか· · ·
いいな、、
いやいや、そんな事ない!
コンビニ弁当だって十分美味いじゃないか!
母さんの手料理、、
最後に食べたのなんていつだろうか
もう、味も覚えていない。
「美味い...」
素直に思った事を口にすると
「そお?お口にあっていたみたいでよかったわ。」
と、笑顔でお母さんが微笑んでくれた
「あ!私、自己紹介してなかったね。
私の名前は河南夢乙。今年で中二です!こんなお兄ちゃんだけどよろしくお願いしますm」
夢乙ちゃんか、礼儀正しい妹だな、
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