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「唯斗んち久しぶりー!あ、おばさんこんにちは!」
「お邪魔します」
「母さんただいま。海くん連れてきたよ」
結局、僕の家に来ることになったけど、直樹も一緒に来ることになった。
なぜか直樹は海くんの信頼を勝ち取っている。最初は僕と仲がいいからってたまに話す程度だったはずの2人の関係は、僕から海くんを守る直樹みたいになって海くんは直樹を信頼している。
僕は海くんにキスしようともしてないし、触ったりもしていない。ただ見てるだけなんだけどなあ。
「唯斗おかえり。直樹くんは久しぶりねえ。あなたが海くん?唯斗が一目惚れしたっていう?」
母さんの言葉に、海くんは僕をにらんだ。たぶん「お前なに言ってんだよ?」ってところだろうか。
だけどそんなのは見えないフリだ。
「うん。岡崎海くん。このふっくらした唇がチャームポイントだよ。すっごく可愛いでしょ」
そう言えばさらに海くんの視線は鋭くなった。
いい加減黙ろう。僕が殴られかねない。
僕は視線から逃げるようにキッチンに入って飲み物の用意をした。海くんと直樹は先に部屋に行ってもらった。直樹がいるから部屋に案内なんてしなくても問題ない。
僕が部屋に入ると、いつもは1人の空間なのにそこに海くんがいた。呼んだんだから当然なんだけど。
海くんがいる。海くんが僕の部屋にいる。いつも僕が枕にしたり抱きしめたりしてるクッションに座ってる。やばい可愛い。
クッションって座るためのものだったっけ?僕の家では枕にするか悶えた時に抱きしめるか、飾るかしかされていない。海くんが座るものだというならそれはそれでいいだけど、とりあえずそのクッションは今度から枕になんてしない。もったいない。
「直樹はいつもオレンジだよね。海くんはりんごジュースが好きって言ってたからりんごジュースにしてみたんだけど良かった?」
「あんがと」
飲み物を受け取った海くんを凝視する。
グラスにりんごジュースを入れて、ストローをさして持ってきた。その唇がストローを挟むのも見てみたい。
液体で濡れた唇を舌で舐めてくれたりなんてしたらもう僕そのまま死んでもいいかもしれない。
海くんが唇を開いてストローを挟むかと思った時、目があった。
「こっち見んな」
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