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5月に入ると体育祭の準備が始まる。
今日のホームルームでは各ブロックのリーダー決めと、出場種目を決める。
各学年から2クラス、3学年分合わせて合計6クラスで1ブロック。全部で4ブロック出来る。
「藤城は3年からリーダーにって使命きてるぞ」
「いやです」
担任からそんなことを言われたけど、僕はリーダーをして応援合戦のダンスをするよりも競技に出たい。
だからリーダーをする気は無かった。
けど、周りは僕にリーダーをさせたかったみたいでやれば?と言ってきた。全てに嫌だ、と返していた時だった。
「唯斗がMVPとったら岡崎にデートしてもらうとかは?」
クラスの誰かが言った言葉に、海くんはふざけんな!と叫んだ。
僕はその声がした方を見る。そこには山本くんがいた。明るくてノリの良いところが彼の魅力だ。だけど、今のノリは良くない。
「分かった。僕がMVPとったら、山本くん。海くんに謝ってね。賭けの賞品にするみたいに言ってごめんなさいって」
「え?唯斗、岡崎とデートしたくないの?」
「したいよ、すっごく。でも海くんの許可も意思もなく海くんを賭けの賞品みたいにするなんて、絶対にしない」
好きな人を賞品にするなんて間違ってる。
見返りを求めるのは仕方ないと思う。頑張った分認められたい、成果の分、褒美が欲しい。そんなのは当たり前だ。
だけど海くんに関しては違う。
好きを免罪符にしたら、僕は海くんを好きでいられない。
好きだから、を理由に好きな人を傷付けていい理由なんて、どこを探しても僕には見つけられないから。
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