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「どうしたの、海くん」
「俺のこと見すぎ。見んのが無理ならせめて喋んな」
「海くんと話すな、ってこと?」
「…………俺の体綺麗だとか、そんなこと言うなってこと。守らねーなら口聞かねー」
え、え、えええ!?
ま、待って。考えろ、考えるんだ僕。
「無理だよ」
「なんでだよ」
「海くんの好きなところはたくさん言いたいから。独り占めしたい気持ちもあるんだよ、だけど僕の好きな人はこんなにも素敵なんだっていろんな人が知ってくれるのも嬉しい」
「好きだよ、海くん。唇が大好きだよ、その目も好きだよ、ふわふわの髪も好きだよ。足も腕も、その体全部が好きだよ。好きだよ、海くん」
思ったままに伝える。気付いたらクラスは静まり返っていて、僕が振り向くとみんなが真っ赤になって目をそらした。
よくわからないまま海くんに向き直ると、海くんも真っ赤な顔をしていた。見ている僕に気付いた海くんは、黙って自分の席に戻ってしまった。
静けさから目覚めた教室は、唯斗やべー!とやたら叫んでいた。何かやばいことをしただろうか、心当たりはない。
「直樹?」
「唯斗は唯斗のままでいいよ。なんもやばくない、頭以外は」
「僕、頭はやばいの?」
「だいぶ」
勉強しようかな、と呟くと直樹はクスクス笑った。
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