アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
40.
-
楽しかったお出掛けが終わって、週末を挟んで月曜。テストが返ってきた。分かってはいたけど、いつもと対して変わらない。
いつもはこれで満足だった。授業を適当に受け、前日になって範囲を覚えて赤点回避、それだけで良かった。
けど、今回は違う。授業もちゃんと受けたし、わからないところから復習をした。前日は範囲の部分を中心に、どうしてそうなるのかをしっかりと理解するように努めた。その結果は、丸暗記とそう変わらない。
それは僕に基本がないからだ。基本から理解をしようとした結果、今やってるところまで追いついていないのだ。結果が伴わないことがある、それでも全力でやる。
そして、それは今回だけじゃない。これからもだ。
新たな決意を胸に、考えていたことを伝えるために家に帰る。
「父さん、母さん。僕、夏休み塾に行きたい」
「なんで?」
あれ、この返事は予想してなかった。
高校受験の時、本当に勉強なんて進まなかったから塾に行きたいと言ったことはあった。その返事は、いつも「無駄だからだめ」だった。
まさか理由を聞かれるとは思わなかった。きっとすぐに反対されると思っていたし。
「僕、基本が全然分かってないから。ちゃんと理解して進めたいなって思ったから、塾に行きたい」
父さんは考えるように僕を見る。どう思ってるんだろう。塾が嫌いっぽいから、やっぱりだめだと言われるだろうか。
「まだ申し込みに間に合って、唯斗が興味のある塾を探しておいで」
「いいの?」
「また周りが行ってるから、とかとりあえず受験だし、とかそんな理由なら反対するつもりだったけどな。勉強してないツケだ、夏休みにしっかり払ってこい」
「………ちょっと遠いところにしようかな。帰りに走って帰れるように」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 143