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「全然成績上がらなかった」
「だな、俺一夜漬けで130とかだったよ」
「一夜漬けしてた頃、直樹と成績変わんなくても当然って思ったのに今はなんか悔しい」
「勝ってるのに?」
「そう、勝ってるんだけどね。毎日頑張った僕と一晩やった直樹が一緒っていうのがね、悔しい」
そう、この感情は悔しいだ。
積み重ねてきた時間は、一夜漬けと変わらない。
自分の結果で、一夜漬けの自分と変わらないことも分かっていたけど。直樹の結果まで並べると痛感する。
「直樹も一緒に勉強しようよ、旅は道連れ」
「………そのパーティには入れない」
「ええ、直樹もいたら頑張れそうなのに」
「唯斗は岡崎がいれば頑張れるだろ」
「まあ、この旅の目標だからね。でも仲間は多い方が心強いよ、それが直樹だったら嬉しいなあってだけ」
「………夏休み、明けてから考える」
何かやるたびに直樹を巻き込みがちな僕だけど、一緒にやる人がいるっていうのは心強い。直樹にも是非このパーティに入ってもらいたい。
海くんは、僕が重ねたい過程のそのずっと先にいるけど、それでも仲間だと思う。このただ積み重ねる日々は、きっとちょっとしたきっかけで終わってしまう。だから僕には目標が必要だし、仲間も必要だ。
もう終わりなのか、もう辞めるのか、そこで辞めて良いのか。
そうして自分に喝を入れる。
胸を張って大好きな人と、大切な友達と並ぶには、中途半端じゃいられない。
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