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候補を決めていたから、誕生日プレゼント選びはすぐに終わった。どうやら海くんは長く悩むタイプではないらしい。
映画は、海くんが言っていたようにアクションもの。
ワクワク、キラキラ、ドキドキ、海くんの表情がころころ変わる。映画もちゃんと見てるけど、やっぱり海くんを見るのも欠かせない。
海くんは映画を楽しみに来てるから、ポップコーンや飲み物を買うこともない。こんなに集中して見ていると食べるのも忘れるから買わないだけだと思う。
「唯斗、今回は見てた?」
「うん、アクション映画は見れるよ」
「いきなり爆破とか平気なんだ?」
「うん、ハラハラする」
海くんは本当に映画見るのが好きなんだなあと思う。
最初に流れる予告もしっかりと見ている。興味のあるものを探しているのかも知れない。そして、エンドロールが終わり照明が明るくなるまで席も立たない。
「海くん、誕生日おめでとう。僕と友達になってくれてありがとう。大好きだよ、海くん」
「あんがと。これ、大事に使う」
プレゼントには、言葉に出来ない思いを託す。
海くん、生まれてきてくれてありがとう。
僕と出会ってくれてありがとう。
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