アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
50.
-
文化祭の準備は着々と進み、気が付けば前日だ。
金曜、土曜日と行われる文化祭は、土曜日だけ一般公開されている。そのため、僕のシフトは土曜日だ。半日ずつは交代する案も出たけど、着替えるのが面倒くさいということで1日交代になった。
特に前日準備のない僕は室内の飾り付けをする。
変にゴテゴテさせず、いたってシンプルに。清潔感を重視している。
調理場の方から海くんが戻ってきた。調理係はエプロンが必要で、海くんは黒のシンプルなエプロンを着ていた。こんな姿が見れるなんて文化祭っていいなあ。
「試食」
「海くん、エプロン姿も可愛いね。ホットケーキ、ありがとう」
「エプロンなんてこんなもんだろ」
「岡崎、料理得意なの?」
「ふつーじゃね?レシピ通りにやってりゃこうなるけど」
「俺はそうならないけど」
「直樹は料理ダメだもんね。調理実習の班、直樹となるなら僕休むよ」
「そこは流石に俺が休むから。そんな飯テロしないから」
「本当にテロだもんね」
「そんなひでーの?」
そんなにひどい。調味料を間違えることもまあ、よくあるし。何より火加減。ほとんどのものを炭にする火加減だ。直樹がホットケーキを作ったなら、きっと真っ黒になると思う。そう思うと、直樹はメイドでよかったかもしれない。
「海くん、文化祭。時間が合えば一緒に回ろうね」
「いーよ。お化け屋敷、付き合えよ」
「………僕が嫌がるの分かってて言うんだもんなあ。海くんのいじわる」
「なら迷路とかクイズ?劇は見る気ねぇし」
「海くん、明日のシフトは?」
「午前だけ」
「なら、昼ごはん何か食べて気になったところに入ろう。お化け屋敷は、うん。どうしても入りたいなら、がんばる」
「海くん、後夜祭。僕と見ようね」
「おー」
去年よりももっともっと楽しみな文化祭が、ついに始まる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
57 / 143