アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
51.
-
文化祭の1日目。
学校に着くといつもとは全く違う雰囲気だった。
垂れ幕のかかった校舎、色とりどりの花で飾られたアーチ、よくわからないモニュメント。
校舎も同じように宣伝のチラシやポスターが貼られ、教室はいつもと違って華やかに飾られている。
そして、制服で登校して、クラスTシャツに着替える。僕は蝶ネクタイが貼られたものだった。海くんはベストだったようで、とても似合っていた。せっかくのベスト風デザインはエプロンを着ると隠れちゃいそうでもったいない。
海くんは今日の午前中、シフトに入っていたから直樹と2人で回った。一般公開されてない今日はそこまで人がごった返したりしない。僕も直樹も行きたいところもなかったので、目に入ったところに次々と入った。
2人して時間を潰したのは射的だった。
シューティングゲームは2人とも好きだったから、射的もなかなか楽しめる。
お客さんがいないときは、景品いらないから遊ばせてと2人して好きなだけ撃たせてもらった。
次に目に入ったのは、男子校ではよくあるコスプレ喫茶。
メニューは僕のクラスと被ってないけど、コスプレというだけあってメイドさん以外にも沢山いる。チャイナ服、ナース服、ミニスカポリス。アリスのウサギをイメージしたのか大きな時計を持ったうさ耳もいる。アニメのキャラだろうか、執事服の人だったり軍服みたいな人もいる。
「僕、やっぱりミニスカ反対してよかったって心底思った」
「俺、自分があんな見世物にならなくてよかったって、唯斗にめっちゃ感謝してる」
2人して入っては見たけど、これはネタでしかない。
色々なものがごちゃ混ぜで統一感もないし、ミニスカを着た足が目立つ。
「お、唯斗に須田!きたのか?」
そう言ったのは去年同じクラスだった佐山くん。
普段は落ち着いた雰囲気のある、クラス委員とかしちゃう佐山くん。ミニスカポリスになっていた。
「………佐山くん、ごめん。足が見れない。っていうか腕も見れないけど」
「え、面白くない?」
「直樹は声も出せないほど笑ってるよ」
必死に押し殺そうとしているが、直樹が笑ってるのが分かる。確か佐山くんは柔道部だ。全身にしっかりと筋肉が付いている。
立派な筋肉だけど、とてもじゃないけどミニスカポリスは似合わない。
「佐山、明日俺らのクラスこいよ。俺と唯斗が本物見せてやる」
笑いから立ち直った直樹が言う。まあ、これに比べたら僕と直樹なんて見れたものだと思う。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
58 / 143