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64.
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修学旅行当日、
早くに学校に集まり駅に向かう。新幹線に乗る。
僕の隣は海くん。隣に座っていい?と聞いたら普通にいーよと返ってきて、未だ続く甘い雰囲気に僕はどうしたらいいのかよくわかっていない。
隣に座る海くんはいつか僕と見に行って買ったパーカーを着ていた。海くんにはちょっとゆったりしていて可愛い。
海くんの視線が僕に向く。そうすると、僕はなにもなくてもつい笑ってしまう。
海くん大好き、そんな気持ちを込めて。
そうすると、海くんも優しい顔をしてくれる。
やっぱり、この顔は母さんに似てる。父さんに好きと言われた母さんによく似てる。
「なに?」
「ううん、好きだなあって思っただけだよ」
「なにそれ」
やっぱり優しい顔は変わらない。
こんな幸せがたくさんあるといい、そんな風になっていきたい。
新幹線の中では、みんなでトランプをした。
誰かが罰ゲームトランプなんてものを持ち込んでいて、負けたらやらされた。
なかなかに酷い内容なんかもあって、直樹はおかま言葉で自己紹介なんてしていた。これはみんなして爆笑した。
直樹がわたし直樹よ〜なんていうとは思わなかった。
海くんは20秒間空気椅子を引いて、必死にやっていた。運動してる人からしたら楽勝なお題だけど、海くんからしたら十分に罰ゲームだったと思う。
僕も引いたけど、親に電話するというもので全然罰ゲームにならなかった。
約3時間、全く退屈することなく時間は過ぎていた。
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