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「何やってんの?」
大浴場から戻った海くんの第一声がこれだ。
「海くん、浴衣も可愛いね、温まったみたいでよかった、ほっぺ赤いよ」
「いや、それはいーから。なんで食べてんの?」
「海くんが好きそうなチョコレートもあるよ」
そうじゃねーよ、とあぐらをかいてしゃがみこんだ海くん。あ、だめ、それ視覚的にだめ。見るなって言われても見ちゃう。
「海くん、あぐらは、だめ」
「………なあ、なんでご飯前に食べてんの?」
「みんな持ってきてくれたから、かなあ。大丈夫だよ、僕まだまだ食べれる!夜食も持ってきてるし」
海くんはあぐらから体育座りに姿勢を変えてくれたけど。
………その姿勢も、微妙。
心を無にするためにシャワーを浴びたはずなのに、浴衣に思わぬ攻撃を受けて無にはならなかった。
夜ご飯は少し京都らしい感じがした。お豆腐だったり湯葉だったり。男子高校生の胃袋的には物足りないけど、こういうその土地の名物を食べるのはとても好きだなあと思った。
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