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「ほら、この先に言うことは?」
えっと、僕は海くんを好きで海くんも僕を好き。
だから、だから。
「キスさせてください!」
「ふはっ、ちげーよばか。もっかい」
海くんが堪らんとばかりに笑って、もう1回という。
落ち着け。落ち着け。
唇ばかりに囚われるな。
僕は海くんを好きで海くんも僕を好き。
だから、だから。
「海くん、好きです。だから、僕とお付き合いしてください」
「うん、待ってた」
「待ってた?」
「うん。好きとは言っても返事は求めねーし付き合っても言ってこねーし。だから叶ってるって言ってやったのにそんでも変わんねーし。修学旅行で言わせてやろーと思ってた」
「………言ってくれたらよかったのに」
「言われたかったんだよ、唯斗に」
もうなんだっていいや。
海くん、大好き。ああもう大好き。
大好きが止まらない。
「海くん、キスしてもいい?」
どうしてもしたい。その唇に触れたい。
1番最初に好きだと思って、触れたいと思った場所。
とっても魅力的な唇に、海くんに触れたくて仕方ない。
「一瞬ならな」
聞くなり体が動いていた。
海くんの頬に触れ、視線を絡ませる。
海くんは優しい顔して笑っている。
そんな海くんに触ている、その唇にキスをした。
その日から、この場所は僕の好きな場所じゃなくて大好きな場所になった。
神様が見守ってくれてたのかなあ、なんて思う。海くんにそんな事を言ったらむしろ罰当たりじゃね?と言われたけど、それなら僕も海くんも同罪だと思う。そんな話をしながら、砂利道を歩いた。
下鴨神社を見た後も、2人でお土産を探しに行ったり買い食いをしたりして、ホテルに戻る時間ギリギリまで初めてのデートを楽しんだ。
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