アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
73.
-
修学旅行3日目。
今日は大阪のテーマパークだ。
クラスメートは僕と海くんを2人きりにさせようとしたけど、それは断った。
結局、昨日の行動班よりも多い人数でテーマパークを回った。
海くんはジェットコースターが苦手なようで、身動きひとつせず、目も瞑って固まっていた。そんな顔を見ていたら、昨日キスした時を思い出した。ここまで固まってなかったけど、目を閉じてる姿なんてそう見ないせいか、つい見入ってしまった。
それじゃダメだと、出て行け欲望!と視線を景色に集中させた。
その後もアトラクションを楽しんだり、可愛く作られた肉まんを買い食いしたりと、初めて来るテーマパークを存分に楽しんだ。
大阪で2日間遊び、家に帰ったら修学旅行が終わる。
帰りの新幹線は行きと違って静かだ。寝ている人も居るし、起きていてもワイワイ騒いだりはあまりしていなかった。
「海くん、眠くない?大丈夫?」
「眠いけど寝ない。着くまで寝る自信がある」
「寝てたらもいいよ?」
「夜寝れねーじゃん、そっちのが無理」
家でゆっくり寝たいから頑張るんだ。そっかあ。
毎朝眠いって言いながら、何だかんだ夜もみんなに付き合って起きていたから結構寝不足なんだろうなあ。
「唯斗は?」
「僕は家に着いたらとりあえず走りに行きたい。修学旅行中は全然走れなかったから」
「まだ走る体力あんの?」
「うん」
信じらんねーって声が聞こえたけど、そのくらいの体力は残っている。
しばらく話していたけど、30分ほど経つ頃には海くんは寝てしまっていた。寝たくないとは言っていたけど、起こすのは可哀想に思えて、そのまま起こさずに眺めた。
とても楽しくて、
とても嬉しいことがあった修学旅行は、静かに終わった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 143