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海くんと付き合い始めてもうすぐひと月になる。
その間に2学期の中間テストがあった。勉強の成果は出ているようで、確実に順位は上がっていた。
海くんはいつもと変わらない順位だ。というより、あそこまで行くと上がるものもないのかもしれない。
海くんとの関係もすごく順調だと思っていた。
海くんに好きだよってたくさん言えるのが嬉しい。
放課後、たまに遊び行ったり、週末は海くんが僕の家に来てくれることもある。そんな毎日がとっても嬉しかった。
だけど、悩んでいることもある。
「唯斗、もっと」
そう、最近の悩みは海くんだ。
2人っきりの時、海くんは僕がキスをしても怒らない。
それどころかもっと、と言うのだ。
何度してももっと、という。
深くキスしても怒らないし、し過ぎたって怒らない。
海くんの唇が唾液で濡れて、とても色っぽい。そして、もっと、と言う。
そして、またキスをする。
海くんの唇は僕から理性を奪っていく。
「唯斗って、もっとしたくなんねーの?」
「海くん、だめだよ。僕の理性は最近豆腐よりも柔らかくなったと思うんだ。すぐに崩れ落ちる。こんなことならエッチの仕方を聞くべきじゃなかった………」
そうなのだ、付き合い始めてしばらくして、エッチの仕方を聞いてみた。僕だって男だし、やっぱりその、気になった。安直に聞くものじゃないと聞いてすぐに後悔したことは言うまでもない。
お尻にペニスを入れるだなんて考えたこともなかった。そもそも入れる場所じゃない。はいる、はいらないで考えたら、はいらなくもないってくらいの場所だ。
「俺と、したくねーの?」
海くんの悲しそうな声が聞こえた。
理性と一緒に崩れ落ちていた体勢をあげると、声と同じ。悲しそうな、寂しそうな顔をした海くんがいた。
「え……」
「そりゃ普通は入れるとこじゃねーし、汚いとか思うかも知んねーけど……。ちょっとでもしたいとか、思わねーの」
「ちょっとどころかすぐにでもしたいよ!でもだめ」
「なんで」
「だって海くん、入れられる方をしてくれるつもりでしょう?僕、エッチはもちろんしたいけど、いつも理性が崩れ落ちてて大変だけど、でもそれ以上に海くんに痛い思いをさせてまですることじゃないって思ってる」
これが今の僕の、本音だ。
エッチをしたいという気持ちより、海くんに痛い思いをさせたくないという気持ちが、いつも勝つ。
好きな人に、大切な人に、触れたい。
だけど、その結果として痛い思いをさせたいわけじゃない。
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