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夕食の時に父さんと母さんは、クリスマスは2人で温泉でも行ってくるなんて言い出した。気を使ったのか、ただ父さんが母さんと2人でデートしたかっただけなのか。たぶんデートをしたいって気持ちの方が大きいと思うけど。
どっちにしてもその日、家には僕1人だ。
夕食前にエッチなことをしていて、思わぬ邪魔(母さんごめん)が入って。
そんな後に、家に1人だよと言われた。これが両親からのクリスマスプレゼントってことでいいや。
そんなの普通に、嬉しい。
「海くん、ごめんね。下心が全然隠せないけど、クリスマス泊まりに来てほしいなあ」
「………下心、あるなら行く」
「海くん、大好き。ねえ、暗いし手、繋いでもいい?」
そう聞くと、海くんから繋いでくれた。
僕の家に来た帰り道、海くんを駅まで送るのは習慣になっている。
この帰り道も、すごく好きだ。
小さい頃から過ごした街で、とても大切な人と歩く。とても大切な人と、手を繋いで歩く。
海くんは、付き合う前も、付き合ってからも。
僕に小さな小さな幸せをたくさんくれる。
溢れるくらいに、沢山の小さな幸せを積み重ねていきたい。
「海くん、好きだよ。とってもとっても、大好きだよ」
「俺も好きだよ」
付き合ってひと月。
海くんは、付き合ってみるととても素直だ。
気持ちをきちんと、伝えてくれる。
父さんに似てきっと過剰だと思う僕の愛情表現を、受け入れてくれる。
そして、喧嘩をしても、きちんと話そうとしてくれる。逃げずにきちんと、向き合おうとしてくれる。
知れば知るほど、好きが増えていく。
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