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クラス中がシンとする。
「あ…」
やってしまった………。
ほらみろ。
遠くから見てた女子達が俺に敵意ある目をしている。
目立つのは嫌いだ。
だから今のこの状況は何かまずい気がする。
1年、2年から俺を知ってるクラスメイトは『ああ、またか。』という何も無いような顔をしているが、今年初めて同じクラスになった子は驚いていた。
その目が嫌いだ。
まるで自分とは違う、という目。
確かにそうかもしれないが、いざそういう目で見られると、気分が悪い。
「ああ、ごめん。ねえ、名前なんて言うの?」
由李くんも驚いていたが、気を取り直した様で俺に話しかける。
「…名簿に書いてあります。というか、俺の苗字は知ってたんですね。」
「うん。だって君有名だし。」
有名…?
由李くんならまだしも友達すらいない俺が有名だなんて理解ができない。
俺の顔で察したのか、優しい由李くんは理由を教えてくれた。
「誰も君に触れられない。
誰よりも美しい潔癖症の白雪姫。」
不敵な笑みを浮かべ、まっすぐ俺の目を見る。
「白雪姫…?」
「うん。その白い肌に綺麗な黒髪、なによりその整った顔。ピッタリだね。」
ニコリと彼は笑うがこっちは笑えない。
白雪姫………姫……………
結構ショックだ。
というか、今までそんな風に呼ばれてたこと自体驚きだ。
「俺、櫻羽くんと仲良くしたいな」
由李くんは甘い声でそんなことを言う。
遠くで見ていた女子からは『キャア』と声が聞こえる。
けど俺はあの女子たちの様に絆されない。
俺といても絶対楽しくないだろう。
この潔癖症で傷つけることもあるかもしれない。
だから答えは決まってる。
「ごめんなさい」
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