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「ちーよっ」
その声に振り向くと、後ろに女子達を引連れた由李くんがいた。
放課になった途端、女子達は三手に別れた。
ひとつは女子同士などでの交流を深める者。
ひとつは俺の席に集まり質問する者。
そしてもうひとつは由李くんの席に集まり話す者。
その由李くんが移動したせいか、由李くんと話していた子達までついてきた。
………俺の周りの人口密度がまたさらにあがった。
「きゃあ、由李くん…!」
俺の周りの女子達も由李くんに注目する。
そんな彼女達を無視し、由李くんは俺だけを見つめていた。
「俺ともはーなそ!」
ニコッと笑う彼とは比例し、俺の顔は強ばっていく。
俺の目線の先は由李くんではなく、その後ろの女子達だった。
きっと俺をよく思わない人達。
多分、俺が大きな声で由李くんに失礼な態度を取ったからだと思う。
こういう所が女子の怖いところだ。
だから目立つ人とは関わりたくないんだ。
俺はひっそりと学校生活を過ごせればいいのに。
なのに由李くんは急に絡んできたかと思えば、ズカズカと俺の世界に入ってくる。
今までそういった経験がないからか、どうしていいかわからない。
そうだ。
分からないから相談しないと…
兄さんに。
兄さんならきっと何か良い案を出してくれるはず。
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