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増えるくま
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ゆさゆさと揺さぶられて目が覚める。
「おはよ...今七時だよ」
「...、」
窓の外は、もう暗い。
そうだ...あの後...思い出したくもないけど、あの後寝てしまっていたのか。
「...」
自分の身体を見てもスッキリしているし、服も整えられている。
「...」
ジト...と岬を睨む。
「えと...ごめん?」
「クソ野郎」
もう呆れという感情しか湧いてこず、布団を退けてベッドから出た。
「!」
あれ。
また前の時のような痛みに襲われるかと思ったけど、痛みはなかった。
「あ、よかった、痛みはない?」
聞くと、腰をマッサージしておいたらしい。
「すげぇ」
「でしょ」
いや、あんなにガツガツしておいて何言ってんの?って感じだわ。
「俺...起きなかった?」
人の声や気配ですぐ起きてしまうのに、
「うん、ぐっすりだったよ」
しっかりと寝れていることにもびっくりだ。
「冬夜、もう帰るの?」
パソコンを見つめ難しい顔をしていた岬が、俺が椅子に置いていた鞄持ったのを見て声をかけてくる。
「帰る。じゃ」
「ええっ!待って待って、俺送ってくよ」
「いらねえ」
慌ててガタガタと帰る支度を始めた岬を放って、俺は廊下に出た。
昇降口に出て歩き始めると、岬が後を追ってくる。
「ちょと、送ってくって」
焦ったように言う岬を睨みつけた。
「贔屓は良くないですよ、センセイ」
無視だ無視!
関わるとロクなことが無い。
「あっ、くまさん!車にくまさんいたよね。あれ、増やしたんだよ」
なんなの?
....そんなので釣られるわけねぇだろ。
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