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佐々木冬夜という男2
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椿side
俺は、目の前に広がる光景に唖然とする。
「うわ、可愛い....優介、こっちにうさぎさんもあるぞ!...可愛い」
「お、ほんとだ!ふわふわじゃん」
...佐々木は、猫目を爛々と輝かせながら、俺のベッドの上にあるぬいぐるみを抱いていた。
原は原で、微笑ましそうに佐々木を見ている。
...そりゃ、そういう目にもなるわ、原。
小さい両手いっぱいにぬいぐるみを抱え、ふおぉお、と声をあげる佐々木。
「...いつもこうなのか?」
ベッドの横にあるソファに座って佐々木を眺める原に、尋ねる。
「そう。びっくりした?」
「...まあな。...原がいつも佐々木のそばに居る理由が分かるわ」
「普段はツンケンしてるんだけどねー、どうにも、ぬいぐるみには弱いみたいなんだよね...冬夜は。...色々理由はありそうだけど。...それより、なんでこんなにぬいぐるみが?」
「あー...親が買ってくるんだ」
「ふぅーん」
思わぬ質問が来て、軽く誤魔化しながら答える。
「すげぇ.....こんなにぬいぐるみが...あ、ちっこいくまさんもある」
佐々木はまだぬいぐるみに夢中だ。
「いつ俺らが見てることに気づくかね」
「そうだな」
俺らは、可愛い、可愛いとはしゃぐ佐々木をそっと見守ることにした。
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