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穴があったら
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.....すげぇ!
なんだここ!
いっぱいぬいぐるみがあるっ!
うわ、なんだこの可愛いサメさんのぬいぐるみ!
ちっこいくまさん可愛い!
「ふふっ、もふもふ...、.................」
ふわふわとしたうさぎさんの触り心地を楽しんでいると、視線を感じた。
「.............」
振り向くと、優介と椿がソファに座ってこちらを見ていた。
二人とも、なんとも言えない微笑みをたたえている。
「......」
そっと持っていたうさぎさんをベッドに戻す。
「......」
スン、と何も無かったふりっ。
.......。
「......気が済んだ?」
「もういいのか?」
...あーっ!
やっちまったぁっ!
うわぁ、うわ、うわあ....。
...優介はまだいい。...俺がぬいぐるみ好きだということは知っているから。
問題は、椿だ。
さっき初めて会ったばかりで、まだロクに話していない。
...それなのに!
初対面の奴の家のぬいぐるみに興奮する俺...。
「ほんとにもういいの?もう少し堪能したらー?」
「いいんだぞ。遠慮しなくて」
二人の視線に、顔がどんどん熱くなる。
「っ、こっち見んなっっっっ!」
穴があったらどころか、地面に穴掘って入りたいっ!
俺は二人を置いて、隣の部屋にササッと戻った。
「よし、勉強だぁ!勉強ー」
「そうだな」
二人は何事も無かったように勉強を始めたけれど、二人の手はぬいぐるみがあった。
「俺、可愛いから側に置きながら勉強しよっかなーって!」
「俺の分と佐々木の分も持ってきたぞ」
机に突っ伏してチラ、視線を送った俺に、椿がぬいぐるみを置く。
「っすん、」
もういいや.......。
ぎゅうっとブルーのふわふわうさぎさんを抱きしめる。
あー、ふわふわ。
可愛い。
みんな抱きしめてるから恥ずかしくないし。
...二人の優しさに、甘えることにした。
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