アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
五人
-
柏木side
土曜日の朝、俺達は寛也の家に勉強しに来ていた。
...相変わらず大きい家。
「でっかいね…いいなぁ」
「こら、心。早く行くよ」
「はぁーい」
立ち止まって高い塀を見上げる心を急かして、俺は敷地にお邪魔した。
「よ、いらっしゃい」
「お邪魔します」
「お邪魔しまーす!」
広い玄関に、靴が三足。
「冬夜と優介は来てるのか?」
「あーまあ、一応な」
寛也は笑いながら答える。
...寛也がそんなに笑顔なのは珍しい...。
俺と心は顔を見合わせながら、案内する寛也の後ろにくっついて行った。
「はい、ここ」
「ぅわーっ!...って、あれ?」
中に入ると、勉強しているのは優介しかいない。
「あれ?冬夜は?」
「冬夜なら隣で寝てるよ」
優介が顔を上げて、よお!と言いながら答える。
「昨日なんか寝れなかったみたいで、ぬいぐるみを抱きしめて寝てんじゃね?」
「ぬ...ぬいぐるみ?」
「あ、...やべ」
「言っちまったな優介。俺は知らねぇから」
ぬいぐるみが沢山あるのは知っているが…?
「ぬいぐるみ見たーい」
心は隣の部屋に吸い込まれて行った。
「バカ優介」
「っ?!」
目を擦りながら部屋から出てきた冬夜が腕に抱えているものは、まさにぬいぐるみだった。
...片脇どころじゃない、両脇にうさぎとくまを抱えている。
優等生の意外な一面を垣間見た気がするのだが。
「うわぁーっ、冬夜ってぬいぐるみ好きなんだね!」
「別に」
顔が赤くなっていく冬夜を、優介がフォローする。
「おっ、俺も好き!」
「フォ、フォローになってねぇよ!!」
部屋に冬夜の怒りの声が響き渡ったのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 216