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夕雨side
俺は小さい頃からなんでも出来た。
頑張らなくたってスポーツはできるし、勉強しなくたって常に成績はトップだった。
他からしたら羨ましがられてるのかもしれないけど、俺はこんな人生は嫌だった。
嫌味に聞こえるかもしれないけど、もっと努力をしたかった。
常になんでも出来るから新しい事が出来たとしても、『夕雨なんだから出来て当然。』としか言われなかった。
でも、他のみんなは新しい事は初めからできないから出来るように努力して、できるようになったら一緒に頑張った仲間と喜びあって、みんなに褒められて、いいな。と思う。
なんでなのか、なんで俺はこんな風に生まれてきたのかずっと考えた。でも、何もわからなかった。
考えるのも阿保らしくなってきた…
でも、なんでも出来るせいで苦労も多かった。
小学校はみんなに嫌われた。
ありもしない噂をたてられた。
コソコソ話しているのは全部俺の事だ。
『カンニングしてるらしいよ…』
『え、まじ?なにあいつクソじゃん。
みんな、これからこいつと話すなよ!』
『わかってるって!ていうか元から話すやつなんて居ないだろ!』
『それもそうか!』
なんて声が聞こえてくる。
別にそんなことは辛くなかった。
でも、教科書や靴が毎日無くなっていたら親も不審に思う。
いじめが親にバレ、俺は転校させられた。
大人しく、何もしないでいよう。
そう決めた。
でも、転校生というだけあってみんなが寄ってきた。
答えるのも色々とめんどくさい。
めんどくさかったが、何とかやり過ごし何気ない日常を送っていた。
小学校を卒業しても、みんな中学校は一緒。
だから中学校でも、何気なく過ごしていた。
それから俺は誰もいない、県外の高校に入学した。
誰もいない所を選んだ理由は落ち着いて1人になれる場所が欲しかったから。
高校に2年生になって、ただ1人俺が興味を持った男がいた。
その男はマスクをしていた。
友達と話しているところを見た。
楽しそうに話しているが、心の底から笑っていなかった。
何故か俺はそれにイライラした。
なんで楽しくも面白くもないのに笑うのか理解出来なかった
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