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「一ノ瀬…大丈夫か」
後処理をした後、学校がある事を思い出し休みの連絡を入れた。
雅日は行為自体初めてだったらしい。
「今回は薬のせいだし…別に気にしてない…」
そう言いながら雅日は泣いていた。
そんなに俺が嫌だったのか?
俺じゃなくて中村だったら泣かなかったのか?
何故か俺はモヤモヤしていた。
それと同時に胸がズキズキした。
しばらくお互い何も発さず、気まずい空気が流れた。
その空気を破ったのは雅日だった。
「あのさ、その…この事誰にも言うなよ…」
そう言う雅日はまだ泣いていた。
「それは分かってるけど。てゆうかなんで泣いてるの?そんなに俺の事嫌いなの?最悪。」
泣いている姿にイライラし、思った事を口に出してしまった。
「いや、そうゆう訳じゃなくて…ごめんなさい…
神谷の事嫌いとかじゃなくて…その…」
「嫌いじゃないならなんで泣いてるの?」
嫌いではないと聞き、少し安心した。
「自分勝手なんだけど、俺ってマスクなしでも他人と話せたんだな…と思って。
それで、なんか、嬉しくて…
なんか昨日神谷から言われた事ずっと考えてて、キスされても嫌じゃなかったし、さっきの行為も不思議と嫌じゃなかった…
それに、なんかよく分からないけど神谷に俺の作り笑い気付いてもらえてよかったな。って思って」
こんなに饒舌な雅日は初めてだ。
いつもは友達と話してる姿は見るが、こんなに話す雅日は見たことがなかった。
「でも、俺神谷の事苦手…
ごめん、本人の前で言う事ではないけど。
何考えてるか本当に分からないし…
今日は助けてくれてありがとう。
俺、帰るね…また明日、学校で。」
苦手…心にぽっかりと穴が空いたような感覚がした。正直傷付いた。けど雅日を玄関に送るまでは顔に出さないようにした。
顔に出さないようにするのは得意分野だ。
「じゃあね」
「うん、また。
本当にありがとう。」
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