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朝になると少し吐き気と頭痛がした。
風邪かな。と思ったが雅日の連絡先を聞くためにマスクをして、無理してでも学校へ行こうと思った。
重い足取りで学校へ向かった
『おはよ〜!』
と元気な声が飛び交う中、俺は雅日を探した。
玄関や廊下に雅日の姿はなく、昨日車に連れ込まれた事を思い出し、少し焦りながら教室へ向かった。
早歩きで2年教室へ向かう途中の廊下の角を曲がると丁度雅日とぶつかった。
「あ、ごめん。」
「いや、俺の方こそ…」
お互いマスクはしていたが、風邪をうつさないようにと思いふと顔を背けてしまった。
「大丈夫か?」
雅日が俺の顔を覗き込んでくる。
雅日の目は赤く腫れ上がっていて帰ってからも泣いたのか。とまた傷付いた。
「大丈夫。それより、約束忘れてないよね?」
企み顔で言うと、雅日は顔を赤くしながら
「分かってる…」
とギリギリ聞き取れるようなか細い声で言った。
なんで赤くなるんだよ…変な奴だな…
「んじゃ、連絡先教えてくれる?
俺が呼んだらすぐ来てね。」
「えっ!?すぐ?」
「逆らえないよね?」
耳元でそう囁くとさらに顔を赤くし、携帯を出した。
素早く連絡先を交換して、雅日に携帯を返しさっさと教室に向かおうとした。
「え、待って…
一緒にいるんじゃないの…」
自分からこういう事を言うタイプでは無いのだろう。
赤面症かと疑うくらいすぐ顔が赤くなる。
中村達の前ではそんなに赤くならないのに、なんで俺だけ…
そんなに苦手なのか…
「いや、今日はいい」
そう言うと少し嬉しそうな顔をしてじゃ!と走って教室へ向かった。
本当に…雅日はよく分からない。
でも話してると胸が締め付けられたり、ズキズキと痛んだり。
これはなんなんだろう。
痛い頭では考えるだけ無駄だった。
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