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「ねぇ、誰か呼んでくるから大人しくしててね」
立ち上がろうとするといつになく弱い力で腕を掴まれ、
「いや、いい…雅日の連絡先聞くために来ただけだし…もう帰る…けど、ちょっとだけこのままで…」
なんでこうゆう時だけ下の名前で呼ぶんだよ…ずるい…
春樹に『俺と神谷1限出れないから適当に言い訳しておいて!いちごオレ奢るから!!』と連絡し、とりあえず神谷の頭を撫でた。
「ん、それ気持ちいい。寝そう」
自分よりデカく、しかも同性に可愛い。と思った。苦手なやつなのに。
『それ絶対恋じゃん!!!』と春樹の言葉を思い出す。
いや、恋なんかじゃないし!!
こいつ彼女いるし…
そう思うと、神谷を撫でる力が強くなり神谷が俺の方を向いた。
「なんで泣いてんの」
「泣いてないし…」
泣きたくない。神谷の前でなんか…
また弱みを握られる…
「辛い事でもあったの?」
やめてよ。優しい声で話しかけないで。
もういっその事お前の事なんか嫌い。って突き放してくれた方が良かった…
なんなの…本当に…こういう時に優しくするな馬鹿…
「ばーーか…」
そう言い残して神谷から離れ、顔を背ける。
もう嫌だ…なんなんだよこの気持ち…わけわかんない…
神谷が近くにいる。って考えるだけで涙が止まらなかった。
すると後ろから人が倒れたような音が聞こえ、びっくりして振り向いた瞬間神谷にハグをされた。
今度は俺が頭を撫でられた。
やめてよ…彼女いるんだから…
後で悲しくなるの俺なんだから…
「雅日、俺の前では泣きたい時は我慢しなくていい。
無理して笑わなくていい。
俺にならなんでも言っていい。
辛い事、嫌な事、愚痴でも何でもいいから。
だから、無理するな。」
無理するな。の一言で涙腺が崩壊したかのように涙が溢れてきた。
「俺口悪いし…」
「知ってる。」
「それに、些細なことで嫌になるけど」
「全部聞いてやるよ」
馬鹿…良い奴じゃん…
あんなに苦手だと思ってたのに、こうやって話してみるとめちゃめちゃ良い奴だった。
俺は結構神谷の事が好きなのかもしれない。
友達として。
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