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俺は学校でいつも神谷と一緒にいた。
春樹とかにいきなりどうしたの。と聞かれたが気分転換。と誤魔化した。
それから何も無いまま1ヶ月が経ち、俺も神谷の考えてることが少しずつ分かってきた。
「一ノ瀬、ちょっといい?」
いつになく真剣な顔で言われるので、少し怖かった。
「うん。」
そう返し、神谷の後ろを着いていく。
着いた場所は俺達の関係が始まった音楽室だった。
「一ノ瀬、俺が何考えてるか大体分かってきた?」
神谷は意外と顔に出るやつだった。
よく見ればすぐにわかるようになった。
「うん。大体は。」
「そっか、それならもう解放だね。
1ヶ月も俺のそばにいてくれてありがとう。」
意味がわからなかった。
言葉が出ない。
何か言わないといけないのに。
嫌だ。
こんな幸せな毎日が終わるなんて…
「えっ、あ…」
思い出した。1か月前神谷はこう言ったんだ。
俺の考えてることが分かるようになったら解放してあげる。って
どうしよう。
わからない。って嘘をつけばよかった、
でも神谷には嘘は通じない。
どうしよう…
自然に涙が零れる。
「一ノ瀬?どうしたの?
そんなに嬉しい?」
声は少し冷たかった。
違う、違う…
嬉しくなんかない…
どうすればこの関係をつなぎ止めていられる?
どうすれば好きって伝わる?
分からない。
どうしよう。
それが俺の頭の中でグルグルと彷徨っていた。
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