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夕雨side
「じゃあね。」
行きたくない。雅日が居ない毎日なんて耐えられるわけがない。
でも、雅日が幸せなら…
そう思いながら音楽室を出た。
音楽室のすぐ向かいには男子トイレがあり、そこの個室に入った。
俺は雅日が他の奴と笑ってる所を見れるのか…?
仮に結婚した時心の底からおめでとう。って言えるのか…?
言えるわけない。誰よりも雅日が好きなのは俺だから。
他の誰にも渡したくない。
好きだ。って思うのは簡単な事。
でもそれを相手に伝えるのはとっても難しいこと。
どうすれば良かった?あんなに毎日一緒にいて、俺は何をしてあげられた?
仮に結ばれたとして、俺に何が出来る?
何も出来ない。
それなら雅日に見合う美人の女と一緒になって可愛い子供を産んだ方が良いに決まってる。
俺が好き。なんて伝えたら困らせる。
暖かい液体が頬を伝う。
なんだよ…またかよ…
なんで雅日の事では泣けるのに他のことは泣けないんだよ。
そんなに好きだったのか…雅日の事。
「うぅっ… 」
すごく久しぶりに声を出して泣いた。
雅日には泣いてる姿を見せたことがないからきっとびっくりしながら大丈夫!?何があったの!?と頭を撫でてくれるだろう。
来て…そう願ったって誰も来るはずない。
そう思っていた。
ガチャ。と、トイレのドアが開く音がした。
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