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「雅日〜いる?」
入ってきたのは中村だった。
最悪。このタイミングはありえない。
コンコン
「誰かいますか〜」
まずい。ここで出なければ不審に思われる。
ガチャと鍵を開けた。
「お、神谷じゃん!雅日どこか知らない?」
なんでお前が下の名前で呼ぶんだよ…
……駄目だ俺…小さな事に嫉妬して…
「さっき別れたよ。中村の所行ったんじゃない?」
「えぇー。会ってないよ!
探してくるー! 」
走って行ってしまった。
俺も中村みたいに素直になれたら…
ずっとここにいても、意味ないしそろそろ授業始まる。
けど、雅日の顔みたらまた泣いてしまいそうだから授業は、サボろう。
屋上なんて空いてないし、サボるのは1年の頃からずっと音楽室だった。
さすがに、もう雅日いないだろうと思い中を確認しないで入った。
音楽室には机がなく、椅子だけなので少し椅子をずらして楽器を覆っている毛布を数枚重ねて簡易布団を作ってそこに横になった。
真っ白い天井を見ると色々と考えがまとまってきた。
雅日を困らせるのが嫌だ。
雅日が不幸になるのが嫌だ。
やっぱりこの気持ちは伝えない方がいい。
「雅日…好きだったよ。」
声に出して言うとスッキリした。
今も好きだ。けどこの気持ちは封印しておこう。
だからもう、過去形。
これでいいんだ。スッキリした。
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