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雅日side
涙もようやくひいてきて教室に戻ろうとしたが、神谷の顔を見ると絶対に涙が止まらなくなると思ったのでこの音楽室でサボることにした。
授業大丈夫かな…わかんなくならないかな…
まあそうなったら神谷に…
馬鹿…もう隣に神谷は居ないんだった。
また涙が零れそうになる。
すると廊下の方から足音が聞こえ、先生とかだとまずいので俺はピアノの布の中に隠れた。
ここなら入ってきたとしても死角だから見えない。
入ってきた人は誰か分からなかった。
けど、学校指定の靴だったので俺と同じ2年生。ということだけ分かった。
ここはサボりポイントなのか…
入ってきた生徒は椅子を掃けて、楽器を覆っている毛布を雑に床に投げつけ、その上に寝転んだ。
この状態どうしよう…
1時間このピアノの下なんて嫌だ…
正直に最初から居ました。今出ます。って言おう…
立ち上がろうとしたその時、
「雅日…好きだったよ。」
その声は神谷だった。
なんでここに?
好き?だった?過去形?
なんで。疑問が多すぎる。
神谷が、俺の事…好き?だった?
なんで過去形…?
驚きすぎて背筋を伸ばしてしまい、ピアノに頭をぶつけた。
やばい…
「何?誰かいるの?」
俺はナマケモノのようにゆるゆるとピアノの下から出た。
「ごめん…先生かと思って隠れたら…」
神谷の顔は驚きを隠せていなかった。
目を見ると赤くなり、少し腫れていた。
なんで、泣いてんだよ…
気まずい沈黙が流れる中、神谷がため息を吐き、
「さっきの、聞こえてた?」
ばっちりと…
なんでため息なんだよ…
「まあ…聞こえてた…」
「ごめん。困らせてるな…
忘れて、聞き間違いだと思って。
本当にごめん。気持ち悪いよな。」
は??????
困らせてる???
忘れろ???
気持ち悪い???
さすがにイラッときた。
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